リンパマッサージの効果・やり方・おすすめオイルまで徹底解説

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私たち現代人は日々の生活に忙しく追われていて疲労やストレスが溜まりがちです。
そのような方に最適なのがリンパマッサージで、自宅でもちちょっとした空き時間に簡単にできるのでおすすめです。
美肌・ダイエット・ストレス解消など、うれしい効果が期待できるリンパマッサージについて、
特徴・やり方・おすすめのオイル・注意点まで徹底解説しますので、ご興味のある方はぜひご覧下さいね。

リンパマッサージとは




リンパマッサージとはリンパドレナージュとも言い、全身リンパの流れをハンドマッサージによって活性化させながら、
体内に詰まった不要な老廃物や不純物などを集中的に排出させる施術のことを指します。
なお、「ドレナージュ」とはフランス語で「排出」という意味を持つ言葉です。
それでは次に、リンパの働きと役割・全身のリンパマッサージのやり方(顔・首・腹部・脇・腕など)について見ていきます。
リンパの流れ(図解)・リンパマッサージのやり方の動画も掲載していますので、ご興味のある方は合わせて閲覧していただくと良いでしょう。

リンパの働きと役割


わたしたち人間の全身には大きく2種類の循環器系が機能しており、そのうちのひとつとして血液系 (心臓・血液)、そしてリンパ系 (リンパ管・リンパ節)があります。
ここでは、おもにリンパ系の働きと役割について見ていきます。

リンパの構造について


循環器系のひとつである血管は、静脈と動脈が毛細血管によってすべて繋がっており、
輪が描かれたような形になっているため、終点・起点は存在しません。
一方、リンパの場合は手足の先端部に位置する管の部分が起点となります。
その位置から首の方向に流れているのがリンパ節です。
リンパ節は全身に600個前後存在しており、健康を維持していくために重要な免疫器官の一種でもあります。
リンパ管を通って流れていく体液のことをリンパ液と言います。
リンパ液のおもな成分は、血液に含まれる血漿やタンパク質や、血管の外にはみ出たものです。
体内で循環を繰り返すたびに古くなった細胞が、リンパ液を通って運び込まれ、自然に排出される仕組みです。
リンパ液は単なる体液ではなく、リンパ球が豊富に含まれています。
このリンパ球の働きによって、細菌やウイルスをやっつける役割をしています。
言い換えれば、リンパ液に含まれるリンパ球は、私たち人間の免疫力や自然治癒力とも深い関わりを持っているということになります。

リンパの種類と区分


先にもお伝えした通り、リンパにはリンパ管・リンパ節・リンパ液の3種類がありますが、さらにリンパ管には大きく2種類に区分されます。
リンパ管の深度により、浅リンパ管と深リンパ管に区分されます。
皮下に位置するリンパ管のことを浅リンパ管と言い、全身の深い位置に存在するリンパ管のことを総称して深リンパ管と呼びます。
この2種類のリンパ管は全身のあらゆる部位において交差しており、浅リンパ管は皮下静脈と同方向に流れています。
一方、深リンパ管のほとんどは血管の深静脈に沿って流れています。
リンパマッサージを行うことによって、リンパ管・リンパ液・リンパ節の持つそれぞれの働きと役割を大きく活かすことができます。

4種類のリンパ節に着目


わたしたち人間の体内には数多くのリンパ節がありますが、その中でもとくに「4大リンパ節」と位置づけられているのが、頚部 (けいぶ)・腋窩 (えきか)・鼠径 (そけい)・膝窩(しっか)に位置するリンパ節です。
頚部とはおもに首の周辺で、耳下から鎖骨の上までの部位のことを指します。

4大リンパ節のひとつである頚部リンパ節周辺のリンパ液の流れが悪くなると、肌トラブルを引き起こす要因ともなります。
腋窩とは脇の下のくぼみのことを指し、腋窩リンパ節のリンパ液の流れが滞ることにより、背中・肩の疲労やコリの症状が出ることがあります。

鼠径とは足の付け根の位置を指しており、鼠径リンパ節に不具合が生じると、下腹部や腰の痛みなどのトラブルの要因となります。
膝窩とは膝の後ろ側のくぼみのある部位のことを指し、この部分のリンパの流れが詰まってしまうと、足のむくみや冷えを引き起こすリスクが高くなります。

6大リンパ節とは


一般的に6大リンパ節とは、先に掲載した頚部・腋窩・鼠径・膝窩の4大リンパ節に、腸リンパ本幹・鎖骨リンパ節の2種類のリンパ節が加わったものです。
この他にも顎周りに位置する顎下リンパ節などがあります。

ここまで、リンパの種類と区分・構造・働き・役割についてお伝えしましたが、十分にご理解していただけましたでしょうか。
気になる部位に対してリンパマッサージを行うことによって、滞りがちなリンバの流れをスムーズにして、心身ともに良い状態へと導いていけることでしょう。

リンパマッサージのやり方




エステサロンやマッサージ専門のお店などで、リンパマッサージの施術を受けに行く人も多いですが、やる気があれば自分ひとりでも十分にできます。
そこで、自宅で簡単にできるリンパマッサージのやり方【セルフ編】として、顔・首・腹部など部位ごとにご紹介していきたいと思います。

顔のむくみをとれるリンパマッサージ


顔は全身の中でもっともデリケートなパーツですから、全体的に優しい手触りで行い、マッサージ用のオイルは肌に優しい低刺激のものを厳選しましょう。
顔のリンパマッサージを行うことによってむくみを取り、ぼやけていたフェイスラインがキュッと引き締まってくるので、小顔効果も期待できそうです。

  • 両手をよく温めてから顎 (あご) 先に置いて、両耳の前まで5回~10回程度ゆっくりと優しくさすります。

  • 両手の指先を口元の高さに置いて、両耳の前まで5~10回程度さすり、下から上に持ち上げるようにします。

  • 指を小鼻の横に置いてゆっくりと動かし、頬骨から両耳の前で止めます。これを5回~10回程度繰り返して行います。

  • 両手の指先をおでこの真ん中に置いて、左右のこめかみまでゆっくりと動かし、5~10回程度繰り返します。

  • 最後に両手の指先をこめかみに置いてからまっすぐ下ろし、耳下を通り抜けて鎖骨までゆっくりと下ろしていきます。これを5回~10回程度繰り返して行いましょう。


顔から首元までマッサージを行うことにより、血流とリンパの流れがよりスムーズになりますので、むくみ取り・小顔の効果が期待できます。
入浴中や入浴後に、これをできるだけ毎日継続して行うことをおすすめします。
飲酒した後に顔のむくみが激しい場合は、翌朝にこのマッサージを実践すると良いでしょう。

首のリンパマッサージのやり方


首にはリンパ管や筋肉が集中しており、パソコン・スマホ・読書などで肩がこり、疲労・ストレスが蓄積されやすい部位です。
首のリンパマッサージを行うことでリンパの流れと血流がスムーズになり、首のコリがほぐれてきます。
首のリンパマッサージのやり方は下記の5ステップです。必ず両手をよく温めてから行いましょう。

  • 両手の4本の指を使って、鎖骨のリンパ節を優しくなでるように、ゆっくりとほぐしていきます。

  • 両手の指を顎下から耳下の位置にまでゆっくりと移動させ、これを複数回繰り返します。

  • 両手2本の指で両耳を軽くはさんで、耳下から鎖骨の上の位置までゆっくりとなでながらおろす、これを5回~10回程度繰り返します。

  • 両手の指で耳下から肩の外側に向かって、ゆっくりとなで下ろし、これを5回~10回程度繰り返して行います。

  • 最後に両手の指を首の付け根の部位にあてて、後ろから前に向かってゆっくりとなで、これを5~10回繰り返します。


1番気になる腹部のリンパマッサージのやり方


ぽっこりお腹をどうにかしたい方、内臓肥満が気になる方は、お腹周りのリンパマッサージを行うと良いでしょう。
リンパマッサージを行う前に両手をよく温めてから行うことで、効率が良くなります。

・両手の手のひらをお腹全体にあてて、お腹の上から下腹部に向けて複数回ゆっくりとさすります。

・両脇腹の肉を5本の指でつまみ、ゆっくりと大きくもみほぐしながら動かし、これを複数回繰り返して行います。

代謝をあげて痩せるリンパマッサージの方法


日々の生活習慣の中にリンパマッサージを取り込むことにより、血流とリンパの流れがスムーズになり、基礎代謝を上げることができます。
代謝を上げてダイエットの効率をアップするには、マッサージを始める前の準備を整えることが大切です。
リンパマッサージ開始前に息を大きくゆっくりと吸って吐きながら、両肩を軽く上下に動かしてこれを複数回繰り返しましょう。
これを行うことで、首周辺のリンパ節のスムーズな流れを作ることができます。
全身のリンパマッサージは、鎖骨・両肩から始めて、次に両脇・腕・腹部・鼠径部・足の順に行うのが理想的です。
全身の巡りを良くすることもリンパマッサージの重要な目的のひとつですから、体の上の部位から下に向かって、ひとつずつ丁寧に行うと良いでしょう。
どの部位も基本的にはマッサージ用のオイルを使って優しくさすり、ゆっくりとなでおろすといったイメージです。

脇・腕のリンパマッサージ


脇から腕にかけてのリンパマッサージは、メリハリのあるバストを目指し、二の腕のぷよぷよしたたるみをキュッと引き締める効果が期待できます。
右側の脇下に左手の親指をあてて、4本指で肩甲骨をソフトな手触りで握り、脇の中側に向かって親指でじわっと10~15秒程度ゆっくり押します。
左側の脇下に右手の親指をあてて、先と同じ手順にてマッサージします。
これを1セットとして、5~10セット程度繰り返して行いましょう。

脇の下のリンパ節は痛い


脇の下はとてもデリケートなので、リンパ節に強く圧をかけると、痛みが生じることもあります。
ごく稀にですが、とくに手で触れてもいないのに、脇の下のリンパ節に痛みが生じることがあります。
これは、体内に侵入した細菌・ウイルスに対抗して一生懸命戦っていて、リンパ節の働きが活性化している可能性が考えられます。
風邪やインフルエンザにかかった時に、脇の下にズキッと来るような痛みが生じる場合は、リンパ節の働きが活性化されたものと判断して良いでしょう。
また、女性ホルモンの分泌量の関係で、一時的に脇の下のリンパに痛みが感じられるケースもあります。
マッサージを始める前からすでに脇の下に痛みが感じられる場合は、無理をしてまで行わないほうが無難です。


リンパマッサージの効果


リンパマッサージで体内に蓄積された余分な老廃物・毒素・水分を排出することによって、美肌・ダイエット・リラクゼーションなど、心身ともにうれしい効果が期待できます。
それでは、リンパマッサージに期待される効果について、具体的に見ていきます。

リンパマッサージの美肌効果


リンパマッサージを行うことにより、リンパと血液の循環が良くなり、新陳代謝の活性化にも繋がります。
そのため、肌本来のターンオーバーを正常に近づけ、ハリ・潤いアップの効果が期待されます。
肌の内側から細胞が活性化されることで、ローションや美容液などが浸透しやすくなることでしょう。
リンパマッサージでは体内の余分な水分を排出させるため、顔のむくみを取り、肌のたるみを引き締め、シャープなフェイスラインを目指せる効果も期待できます。

リンパマッサージのダイエット効果


リンパマッサージで血流・リンパの流れを良くすることにより、基礎代謝の向上とともに体の冷え・むくみを取る効果が期待できます。
全身をハンドマッサージすることにより、体がぽかぽかしてきますので、低体温体質の方にも最適です。
「体温が1度上がれば、基礎代謝が従来の1割以上も上昇する」とも言われており、リンパマッサージでダイエット効率をアップできることでしょう。

リンパマッサージだけでは脂肪は落とせない


美肌やダイエットなど美容に良い効果が期待されるリンパマッサージですが、残念ながらこれを行うだけでは脂肪を除去するのは難しいようです。
リンパマッサージは体内の余分な老廃物や水分を排出することは可能ですが、脂肪を溶解して除去する効果までは、残念ながらあまり期待できません。
とくに、太ももやお尻などにセルライトが定着した場合は、リンパマッサージ以外にも他のダイエット法と並行した方がより効果的です。
「脂肪を確実に落として体脂肪率を減らしたい」という方は、ウォーキングなどの有酸素運動や食事療法と組み合わせて行うことをおすすめします。

リンパマッサージを続けると男性にも効果ある?


女性の美容とダイエットに人気のリンパマッサージですが、実は男性にも根強い人気があります。
毎日朝から夜遅くまで仕事に忙しく追われる男性にとって、リンパマッサージはまさに至福のひとときであり、究極のリラクゼーションと言っても良いでしょう。
仕事柄パソコンやスマホを使うことが多い男性には、顔・頭皮・肩・首のリンパマッサージがおすすめです。
肉体労働で日々疲労とストレスが溜まっている男性には、肩・背中・脚のリンパマッサージが最適です。
ストレス解消・疲労回復に、日々の生活習慣の中にリンパマッサージを取り入れると良いでしょう。

リンパマッサージで足のむくみを解消


「夕方になると足がパンパンにむくんでしまい、靴がきつくなる」そのような悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。その原因の大半は、全身のリンパの流れにあります。
朝起きた時はむくんでいなくても時間の経過とともに、静脈やリンパでは回収されていなかった余分な水分が脚にどんどん溜まってしまうのです。
脚は心臓からもっとも遠い下半身に位置しており、体内の水分が上から下に向かって流れやすいため、足がむくみやすくなります。
とくに日中はデスクワークをしている方、仕事柄立ちっぱなしの時間が長い方は、足がむくみやすいのでリンパマッサージでケアすると良いでしょう。

ふくらはぎのむくみ解消と代謝をあげる




立ちっぱなしの仕事やウォーキング・マラソン・ジョギングなどの運動をしていると、ふくらはぎ周辺の筋肉のコリが原因で、血流とリンパの流れが滞り、むくんでしまうことがあります。
ふくらはぎのむくみは体内の水分の代謝が下がっている状態なので、これを改善するためにもリンパマッサージを行うことをおすすめします。

ふともものむくみ解消と代謝をあげる


ふとももがむくんでいる時は、鼠径 (そけい)部のリンパマッサージを行うと良いでしょう。ふとももの内側の部位の肉を足の付け根に向かって、両手で軽くつまんだり、さっすり、これを複数回繰り返して行います。
足は全身の中でもとくに冷えやすい部位であるため、ふとももだけではなく、ふくらはぎ・足の指先まで、リンパマッサージはじっくり時間をかけて行うことをおすすめします。
下半身をしっかり温められるように意識すると良いでしょう。

足の付け根 (鼠径部)のリンパ マッサージは痛い?


足の付け根 (鼠径部)の部位にリンパマッサージを行う場合、痛みはどの程度なのでしょうか。
通常、リンパマッサージを行う場合は強い圧力をかけて行う必要はありません。手のひらで優しくさすったり、軽く揉む程度で良いので、痛みを感じることはほとんどありません。
整体や指圧のように痛みを感じることはほぼなく、リラックスした気分でマッサージできます。
ただし、リンパマッサージとは関係なく、鼠径部に痛みが感じられる場合は、変形性股関節症・リンパ管炎・鼠径ヘルニアなどを発症した可能性が考えられます。
何らかの異変を感じた場合は、念のため早めに医療機関で診察を受けておくと良いでしょう。

足ツボにも効果ある


わたしたち人間の全身には、頭のてっぺんから足のつま先まで無数のツボがあると言われています。
リンパマッサージとよく似た療法としてツボ療法が注目されています。
どちらも皮膚に直接手で触れて、刺激を加えるという点では共通していますが、ツボ療法では特定のツボのみに対して集中的にケアします。
一方、リンパマッサージでは特定のツボのみに施術することはなく、ツボの位置も含めて広範囲に対してマッサージします。
特定のツボを集中的にケアするツボ療法とは違い、広範囲に施術を行うため、足ツボをリンパマッサージしても痛みはほとんど感じられません。
リンパマッサージを施すことにより、足のリンパと血流がスムーズになり、むくみを取る効果や疲労回復などの効果が期待できることでしょう。

足ツボマッサージオイルついてもっと詳しく知りたい方は、足裏マッサージでキャリアオイルを使った施術がおすすめをご覧ください。

効果的なリンパマッサージの4つの秘訣とは




リンパマッサージでより効果をアップするための秘訣について、4つのポイントにまとめてみました。

できるだけ毎日継続することが大切


リンパマッサージの効果を高めるなら、できるだけ毎日継続的に行うことが肝心です。
日々の多忙な生活の中で毎日続けて行うのは大変なことですが、1日の中でリンパマッサージを行う時間帯を決めておくと良いでしょう。
毎日の生活習慣の中にリンパマッサージを取り入れることにより、無理なく続けられるようになります。

軽いタッチでマッサージすること


リンパマッサージは不自然に力を込めて行う必要はなく、施術する部位に対して軽いタッチで手を滑らせるようなイメージで行うのがコツです。
揉む時は強く揉まずに、ソフトな手触りを意識しましょう。

リンパマッサージは入浴後がおすすめ


リンパマッサージを行う最良のタイミングは、入浴後です。
入浴後は体の芯までぽかぽか温まり、皮膚が柔らかくほぐれた状態なので、このタイミングを逃さずにマッサージしましょう。

マッサージ開始直前にぬるま湯・お湯を飲んでおく


入浴後は全身の水分が一時的に失われているので、コップ1杯程度のぬるま湯かお湯を飲んでから行うことをおすすめします。
入浴後のリンパマッサージ開始直前に水分を補給しておくことで、血流とリンパの流れが良くなり、体内に溜まった余分な老廃物の排出がよりスムーズになります。

マッサージ前に水分補給するのを忘れた場合は、マッサージ終了後のタイミングで飲んでも構いません。
マッサージ前後に冷たい水を飲むと体が冷えてしまい、血流なリンパの流れが滞ってしまうので、控えましょう。

リンパマッサージの9つの注意点


リンパマッサージを本格的に始める前に、下記に掲げる9つの注意点について理解しておく必要があります。

手指を清潔な状態にしておくこと


リンパマッサージは手指を使って行う美容の施術です。
施術を始める前には、必ず手指を清潔な状態に保ちましょう。
不潔な手でマッサージをすると、施術する部位に雑菌などが侵入する恐れがあります。
爪が長いと皮膚に傷がついてしまうこともありますので、爪を適度に切っておきましょう。

リンパの流れに沿ってマッサージすること


リンパマッサージを行う際には、必ずリンパの流れに沿って行うのが基本です。
そもそもリンパマッサージとは、体内に流れるリンパ液の流れをスムーズにすることによって、不要な老廃物や毒素を体外に出すことを目的としたものです。
仮に、リンパの流れる方向と反対側にマッサージを施した場合は、思ったような効果が期待できるどころか、体内に毒素や老廃物を残してしまう可能性もあります。
リンパマッサージの基本的な手法は、末端の部位からリンパ節の方向に沿って行うことです。自然な流れに逆らわないように心がけましょう。
リンパマッサージの施術を行う部位について、リンパ節の位置や特徴をしつかり捉えた上で正しい方法で行うように留意して下さい。

必要以上に圧力をかけないこと


リンパの流れが滞ってしまったからといって、リンパマッサージをする時に必要以上に圧力をかけるのはNGです。
わたしたち人間の体はとてもデリケートであるため、手指で強い圧力をかけると、リンパ液と血液の流れをかえって阻害してしまうリスクもあります。
「ちょっぴり痛みを感じるくらいの方が効果的」と認識する人もいるようですが、整体や指圧マッサージとリンパマッサージを混同してはいけません。
強い圧力をかけることによって皮膚に摩擦が生じてしまい、しわ・たるみ・色素沈着などのトラブルを引き起こす原因となります。
リンパマッサージは皮下に存在する細いリンパ管に対して行う施術であるため、常に優しくいたわるように行うのが基本です。

オイルやクリームを使ってリンパマッサージ


リンパマッサージを行う上での鉄則として、マッサージ用のオイルやクリームを使うことが重要です。
仮に、オイルやクリームを使わないでリンパマッサージを行った場合、皮膚に摩擦が生じてダメージを引き起こすリスクがあります。
オイルやクリームを使うことで、摩擦の発生を防ぐとともに皮膚への刺激を抑えることができます。

「ボディローションや化粧水を使っても良いのでは?」という声もよく聞かれます。
しかし、これらのものには水分は含まれていますが、油分はほとんど含まれていません。
その点、オイルやクリームには良質な油分がたっぷり含まれていて、手触りが滑らかなのでおすすめです。
とくにエッセンシャルオイルなど、植物性のオイルは香りも良いのでリラックス効果も期待できます。

オーガニックマッサージオイルの使い方についてもっと詳しく知りたい方は、マッサージオイルの使い方をご覧ください。

体調が悪い日は無理をしないこと


リンパマッサージはできる限り継続した方が良いですが、体調の悪い日にまで無理に行う必要はありません。
風邪をひいた時や生理の時期には、リンパマッサージは一時的に控えるべきでしょう。

食事の直後のリンパマッサージはNG


食事の直後にリンパマッサージを行うのはNGです。
わたしたち人間の体は、食事の直後には消化器系中心に血液を循環させるように働き
き、これによって消化を促進するというメカニズムです。
仮に食事の直後にリンパマッサージを行った場合は、マッサージを施した部位中心に血流がスムーズになり、消化器系の血流が滞りがちになってしまいます。その結果、体内への消化が悪くなってしまうリスクがあります。

リンパマッサージ前後の飲酒は禁物


「お酒を飲んだ後にリンパマッサージすると、むくみがキレイにとれそう」と認識する人も少なくないようです。
しかし、結論から言えば、リンパマッサージ前後の飲酒は禁物です。
リンパマッサージはリンパの流れを良くすることで、血流をスムーズにする効果が期待されます。
飲酒の直後にリンパマッサージを行った場合、体内に含まれるアルコールの成分が血液循環するため、悪酔いを引き起こす原因となります。
リンパマッサージを毎日の日課としている方も、飲酒の直後に行うのは控えるべきです。
飲酒した場合はリンパマッサージを休みにして、翌日の朝に行うことでむくみをとる効果が期待できます。

リンパマッサージが受けられないケース


リンパマッサージは誰でも手軽にできるというものではなく、身体的な状況によっては施術が不可となる場合もあります。
心臓・腎臓に疾患のある人、低血圧、皮膚に炎症がある人、ガンを患っている人、妊娠している人(とくに初期)などは、リンパマッサージの施術は控えるべきでしょう。
また、ぜんそくなどの持病がある人や感染症にかかっている人、骨折やけがをした人も施術不可となります。

リンパマッサージだけでは痩身・減量は困難かも


リンパマッサージはもともとダイエット目的で行うものではなく、リンパと血流をスムーズにして体内に溜まった毒素や老廃物を排出するために行うものです。
リンパマッサージの施術によって、基礎代謝が上がりやすくなるという効果は期待できますが、長期的に継続することが肝心です。
間接的な部分でダイエットのサポートをすることは可能ですが、
「リンパマッサージすると体重が減らせる」「リンパマッサージで痩身できる」「ウエストが細くなる」「短期間で部分痩せできる」といったものではありません。
その点はお間違えのないように、リンパマッサージ本来の目的を見失うことのないように心に留めておいて下さいね。
より確かなダイエット効果を求めるのであれば、運動や食事療法と組み合わせて行うと良いでしょう。

リンパマッサージにおすすめのオイル




リンパマッサージでは、お好みのオイルを使って香りを満喫できるのも楽しみのひとつですね。
コスメショップやネット通販でもマッサージ用のオイルを手軽に入手できますので、お気に入りのものを探してみてはいかがでしょうか。
そこで、リンパマッサージにおすすめのオイルを厳選していくつかご紹介しましょう。

ホホバオイル


ホホバオイルはツゲ科ナデシコ目に属する常緑低木であるホホバの種子から抽出されたオイルです。
ほんのり金色で酸化しにくい性質を持ち、肌触りがサラッとして軽い感じです。
肌への浸透力にも富み、ホホバオイルをシングルで使っても良いし、他のオイルとブレンドしても良いでしょう。

保湿成分がたっぷり含まれていて肌に優しいので、乾燥肌や敏感肌の方にもおすすめです。
マッサージ用のオイルとして使うことで、皮脂のバランスもしっかり整えてくれる作用がありますので、冬の乾燥肌対策にも適しています。

ホホバオイルについてもっと詳しく知りたい方は、意外と知らないホホバオイルをおすすめする理由をご覧ください。血行促進や全身のマッサージオイルとして使用したい方にはココロコスメのホホバオイル(オーガニック認証)を購入したい方はコチラ

アーモンドオイル


近年はアーモンドミルクがブームになっていますが、アーモンドの実から抽出されたアーモンドオイルも「美容に良い効果が期待できる」ということで注目される存在となりました。
リンパマッサージに使うことはもちろん、スキンケアからヘアケア・ボディケアまで多目的で使えるのが魅力です。
肌触りはややしっとりとした感じで、「若返りのビタミン」と称されるビタミンEやオメガ9系不飽和脂肪酸の一種・オレイン酸も豊富です。

バオバブオイル


バオバブの果実がスーパーフードとして一躍話題になりましたが、その種子を絞って作られたバオバブオイルも根強い人気があります。
アオイ目アオイ科に属するバオバブは、オーストラリアやマダガスタル、アフリカなど高温・乾燥地帯に自生する生命力の強い落葉高木です。
幹が太いのが特徴で、この中には水分や栄養素がたっぷり含まれています。
他の樹木よりも樹齢が長く、中には5000年を超えるものもあるとのことです。
バオバフの生産国であるセネガルでは、農家の人々の生活を支える重要な収入源であり、「紛争をなくす木」として重宝しています。
バオバブオイルには体内では生成されにくい不飽和脂肪酸や、ビタミンがバランス良く含まれており、美容のオイルとしても注目される存在です。
保湿成分が豊富なので、乾燥肌の方にも最適です。

バオバブオイルもっと詳しく知りたい方は、バオバブオイルの美容効果とは?をご覧ください。
バオバブの木ついてもっと詳しく知りたい方は、バオバブとは?をご覧ください。

オリーブオイル


オリーブオイルと言えば、野菜サラダのドレッシングやイタリア料理には必要不可欠な存在です。
オリーブオイルにはいろんな種類がありますが、もっともおすすめなのがエキストラバージンです。
手触りは他のオイルと比較するとやや濃厚ですが、不快なべとつきがなく、むしろサラッとした触感です。
ビタミンA・E、リノール酸やポリフェノールがバランス良く含まれたオリーブオイルでリンパマッサージをすると、血管と肌の若々しさを取り戻す効果も期待できそうです。
オリーブはイタリア・スペインなどの地中海沿岸地域の国々で栽培されていますが、日本国内では四国の香川県・小豆島のオリーブが有名です。
他の植物性オイルと比較すると、安価で入手できるのが大きなメリットです。

アルガンオイル


美容オイルとしてもっともポピュラーなのが、アルガンオイルです。
アルガンオイルとは、モロッコ西部に自生する広葉常緑樹のアルガンツリーの種子から抽出されたオイルです。
現地の人々の間では古くから「モロッコの黄金」と称され、食用から美容用まで幅広く愛用されてきました。
アルガンオイルの主成分は、ビタミンE・オレイン酸・リノール酸です。
ビタミンEの抗酸化作用、オレイン酸の保湿作用、リノール酸の柔軟作用でふっくら・もっちり肌に導けることでしょう。

アルガンオイルについてもっと詳しく知りたい方は、意外と知らないアルガンオイルをおすすめする理由をご覧ください。

椿オイル


若い世代の方にはあまり馴染みが薄いようですが、祖母の世代の方々に愛用されてきたオイルと言えば椿オイルです。
椿オイルの主成分はオレイン酸で、酸化しにくい性質があります。
わたしたち人間の皮脂にはオレイン酸が約4割を占めていることから、肌に馴染みの良い美容オイルとして親しまれています。
おもに頭皮ケア・ヘアケアの目的で使われることが多いですが、肌に馴染みやすいため、リンパマッサージ用のオイルとしてもおすすめです。
オレイン酸は高い保湿力を持ち、乾燥・蒸発しにくいのが大きな特徴です。
椿オイルをリンパマッサージ用のオイルとして活用することで、リンパの流れと血流を良くするとともに、潤い肌へと導けることでしょう。

馬油


馬油 (バーユ) はその名の通り、馬の皮下脂肪 (おもに馬の首・お腹などの部位) から抽出されたオイル成分です。
「馬油は良質な脂肪酸の宝庫」と言っても良いほどで、オレイン酸・パルミトレイン酸・リノール酸・リノレン酸が豊富です。
祖父・祖母の世代の方に幅広く親しまれており、昔からやけど・傷など皮膚の民間療法として用いられてきました。
先に紹介したバオバブオイルやアルガンオイルのような液体ではなく、クリームタイプの固形のものが主流です。
皮膚に馴染みやすいので、マッサージオイルとしても十分に活用できます。
ただし、1つ注意点を挙げると、高温に弱くて酸化しやすい性質があることから、開封した後はできるだけ早めに使い切る必要があります。

ラベンダーオイル


アロマテラピーでもっともポピュラーなのがラベンダーオイルで、フレッシュな花の香りに癒され、リラックス・安眠・鎮静効果が期待できます。
リンパマッサージ用のオイルとしてはもちろん、入浴用のオイルとしてもおすすめです。
ラベンダーの種類は実に豊富で、中でも代表的なのがフレンチラベンダー・イングリッシュラベンダー・レースラベンダーです。
花・葉の形状や香りもそれぞれ微妙な違いがありますので、多くの精油の種類の中からお気に入りの香りを見つけると良いでしょう。

カモミールオイル


リラックス系のハーブでおなじみのカモミールには、おもにジャーマンカモミールとローマンカモミールが最もメジャーな存在です。
ローマンカモミールのおもな生産地はフランス・ドイツ・イギリスで、りんごのようなフルーティーな香りが魅力です。ジャーマンカモミールと比較すると、
香りがやや強めで、沈静作用が期待されます。
一方、ジャーマンカモミールは抗炎症作用・皮膚の炎症を緩和させる作用などが期待されており、低刺激なので敏感肌の方にも最適です。
リンパマッサージカではモミールオイルのみ単独で使うのも良いですが、ラベンダー・ベルガモット・ローズなどの精油とブレンドしても良いでしょう。

まとめ


この記事では、リンパマッサージの特徴・やり方・期待される効果・注意点について詳しく解説しました。
美容・健康面で良い効果を期待するのであれば、短期間で集中的に行うよりは、毎日毎日コツコツと地道に根気強く継続していくことが大切です。
本格的に始める前に、リンパの流れの仕組みについて理解を深めておくと良いでしょう。
リンパマッサージを毎日の生活習慣とするためには、アルガンオイルやバオバブオイルなど、お気に入りのオイルを使って自然の植物の香りを楽しみ、
リラクゼーションするのが長続きの秘訣です。リンパマッサージにおすすめのオイルも沢山紹介していますので、ぜひ参考にしていただければと思います。